トンネル計測(7.4KB) NATM(New Austrian Tunneling Method)工法といって、発破(ダイナマイト破壊)等で掘削した後、トンネルの断面内側から扇形に鉄の棒(ロックボルト)を打ち込み、トンネル内面に厚くコンクリートを吹きつけて地山(地盤)を安定させる方法です。計測としては、トンネルの変形やロックボルトにかかる力(応力、軸力)の分布状況などを測定し、変形が落ち着きを確認したり、周辺地盤などへの影響等を調査します。また、施工状況等はトンネルから離れた工事事務所に遠隔伝送して、逐一把握できるようにする場合もあります。(“坑内情報伝送システム"参照)

計測項目 計測により求められる主な事項 内   容
計測a 坑内観察調査 1) 切羽の自立性、素堀面の安定性
2) 土質、断層破砕帯、褶曲構造、変質等の性状把握
3) 吹付コンクリート、支保工等の変状把握
4) 当初の地山区分の再評価
施工の安全管理、設計・施工の検討
天端沈下測定 トンネル天端の絶対沈下量を監視し、断面の変形状態を知り、トンネル天端の安定性を判断する。 他の計測結果との関連付けにより施工管理上の目安となる
内空変位測定 変位量、変位速度、変位の収束状況、断面の変形状態により、1)周辺地山の安定性、2)支保パターンの設計・施工の妥当性、3)二次覆工の打設時期等を判断する。 ・地山の安定状態、内空断面の確保
・二次覆工の打設時期等設計・施工の検討
計測項目 計測により求められる主な事項 内   容
計測b(坑内) 吹付コンクリート応力測定 吹付コンクリートの応力の把握 施工の安全性、妥当性の検討
覆工コンクリート・覆工鉄筋応力測定 覆工コンクリート、覆工鉄筋の応力の把握 設計の妥当性の検討
支保工応力測定 支保工に発生する応力により支保工のサイズ、ピッチ、必要性を判断する。また、支保工に作用する土圧・側圧係数を推定する。 施工の安全性、妥当性の検討
agf鋼管たわみ測定 地山の先行沈下量の把握 補助工法の安全性、妥当性の検討
計測b(坑外) 地表面沈下測定 トンネル掘削による地表への影響 トンネル掘削による周辺地盤の挙動把握
トンネル直上先行沈下測定 トンネル掘削によるトンネル縦断方向に対して沈下分布の把握 ・トンネル掘削による周辺地盤の挙動把握
・先行変位の推定
地中側方変位測定 トンネル周辺のゆるみ領域、変位量を知り、設計・施工の妥当性を判断 ・施工の安全性、妥当性の検討
・トンネル掘削による周辺地盤の挙動把握
周辺構造物の変位測定 トンネル掘削による構造物への影響 周辺構造物の変位を直接計測し、常時安全性を確認するとともに、他の計測と関連付けて設計・施工を検討