温度が上昇すると物質は膨張します。そのため歪みも大きくなります。
元の長さLの線膨張係数α(10-6/℃)の物体が温度?t上昇すると伸び量?Ltは
?Lt=L・α・?t
であり歪みεtは
εt=?Lt/L
となります。
しかし部材が自由に伸び縮みする限りなんら外力は掛からないので応力σt=0です。

例えば夏冬で50℃の温度差が合ったとすると鋼材の線膨張係数は12×10^-6/℃ですから20mのレールでは最大12mm変化することになり、歪みとしては600×10^-6です。

もしレールの端部を固定して伸び縮みできないようにしてやると、温度変化による変位に対する拘束力によってレール内には応力が発生します。これが温度応力です。

鋼材のヤング係数(縦弾性係数)E=200kN/mm^2とすると温度応力σtは
σt=E・ε=200 kN/mm^2・600×10^-6=120N/mm^2(120MPa)
となります。