図-1例えばある値で安定していた計測値が何らかの状況の変化で別の値に変化(シフト)したとすると、それは通常右図のようなイメージで捉えられます。

図-1ところが実際は、よりリアルに表現すると左図のように「 波のような変化」をしています。
これは「安定した状態」から「変化させよう」とするため必ず「変化させまいとする反発力」による「押し戻し」を生じ、「なお変化させよう」とすることでついに「状態がシフト」しますが、次の安定状態に収束するまでにもまた、波の行きつ戻りつを繰り返すためです。

波の動揺は急激にシフトさせようとするほど顕著になり、ゆっくり変化させるとほとんど目立たなくなります。しかしどれほど目立たないといっても完全に無くなることはありませんし、安定した状態も実は直線ではなく非常に時間的変化が少ない波に過ぎません。

要するに、本来「現象としては図ー2のようになっている」ものを観察者が「図-1のようにその過程を省き簡略化して認識している」ということです。

大抵は「変化したことさえ把握できれば良い」のでそれで構わないのですが、「本当は図-2のようになっている」ことを知らないと、物理的に正しいデータを得ているにも関わらず、予想どおりに動いていないためあたかも間違いであるかのように誤解してしまう ことがあります。