例えばここに1本の「鉄棒」があったとしてそこに力が作用して歪みや応力が生じるのを計測するとき、この鉄棒のような「計測対象となるもの」をなんと呼ぶのが良いのでしょう?

【材料】 材料工学的。構造材・機能材として力学特性以外に電気特性や化学特性、温度特性などを持つ

【部材】 構造力学的。電気特性や化学特性などは考慮しない
【物体】 物理学的。純粋に抽象的概念化されたもの。
【物質】 原子・化学的。

つまり、
1) 「純粋に物理学的、原子・化学的な理想状態のもの」として扱うなら「物質」「物体」
2) 「構造力学的なもの」としてのみ扱うなら「部材」
3) 「力学特性以外に電気特性や化学特性などを考慮する」なら「材料」
と呼ぶのが良いと考えられます。

では「計測上はどう扱うべきか」といえば、当然「構造力学的特性」は外せませんがそれだけでは不十分で、「電気特性や化学特性、温度特性なども考慮して総合的に評価する」ことが求められます。

ちなみに材料に似たものとして

【原料】 材料にほぼ同じだが、通常、完成品として原型をとどめていない場合に用いる
【素材】 もとになる材料や原料。原材料、食材、繊維など

がありますが、計測の対象としては、「素材」の中で工学的であり、「原料」とは限らず「構造材」も含まれるので、「材料」に集約されます。

結局、この「計測対象となるもの」を「材料」と呼ぶことにします。